中小企業診断士

一次試験全7科目60点以上で一発合格!直前期に行った5つのこと

中小企業診断士一次試験まで残り1か月半となり、受験生にとっては追い込みの時となっていますね。

1年に1度の大事な試験に向けて、後悔のないように万全の準備をしたいものです。今回は私が一次試験に一発合格するために直前期に実践した5つのことをご紹介します。これから試験に挑む皆さんの参考になれば幸いです。

こんな方にオススメ!
  • 初めて一次試験に挑戦し7科目受ける方
  • テキストや過去問を一通りやり終えた方
  • 直前期に何をやるべきか悩んでいる方
  • どこまで勉強しても不安が拭えない方

私の受験歴と一次試験の点数について

私の受験歴は以下の通りです。

  • 前提知識・予備知識:全くなし
  • 勉強方法:予備校TAC通学(2021年9月~)
  • 一次公開模試:C判定(上位28%)で合格ラインの瀬戸際(2022年6月実施)
  • 一次試験:2022年度試験で一発合格
  • 二次試験:2022年度試験は不合格。翌2023年度試験で合格

なお、一次試験は以下のように全7科目60点以上で合格することができました。

経済学・経済政策 60点
財務・会計60点
企業経営理論 61点
運営管理63点
経営法務72点
経営情報システム64点
中小企業経営・政策80点
◆合計点 460点/700点 ※420点が合格ライン

予備校の先生曰く、合格者の中でも全科目でムラなく合格点をとれる人はかなり少ないそうです。

どの科目も初めて勉強する内容ばかりだったので、科目に対する得意・不得意の意識が無かったのもムラなく得点できた理由かなとも思います。

それでは、そんな私が直前期に行ってきたことについてまとめていきます。

直前期に行ったこと5つ

1. 自分オリジナルのファイナルペーパーを全科目作成

ファイナルペーパーとは試験当日に持っていくまとめシートです。

予備校によっては「最終講義レジュメ」などという薄く持ち運びやすい便利な冊子がありますが、私はそれだけでなく、自分があと1問でも正答を増やすための論点をオリジナルでシートに書き留めました。

主に「答練や模試で不正解だった論点」、「テキストに記載無いが過去問や模試では出たことある論点」、「何度覚えようと頑張っても結局最後まで覚えられなかった公式や暗記系」を書き込みました。

以下はファイナルペーパーに書いた各科目の一例です(注:個人差がありますのであくまで参考程度です)

  • 経済学・経済政策
    国民経済指標、景気動向指数(先行、遅行など)、ラスパイレス指数・パーシェ指数、トービンのq、k%ルールなど
  • 財務・会計
    CF計算書における利息と配当の区分パターン、利益差異分析・費用差異分析・減耗と商品評価損・標準原価差異のボックスの違い、財務レバレッジの公式など
  • 企業経営理論
    労働関連法規、SECIモデル、バーレットとゴジャールの組織モデル、スリーサークルモデル、SL理論など
  • 運営管理
    内掛法と外掛法の公式、ライリー&ハフモデルの公式、住居・商業・工業の用途地域の制限の違いなど
  • 経営法務
    簡易組織再編、略式組織再編、金融商品取引法関連の提出書類の違い、知財の国際条約の比較など
  • 経営情報システム
    覚えられていない英字略語、RAIDの種類、Pythonとライブラリの種類、サーバーの仮想化とコンテナ技術の用語など
  • 中小企業経営・政策
    政策:経営革新計画や先端設備導入計画などの認定先・承認先が国か市区町村か都道府県か、など

※注意して頂きたいのは、すでに理解している頻出論点をファイナルペーパーに書き込むと何十枚にもなってしまい、結果的に読まなくなってしまいます。上述したように、「覚えられなかった論点」を、試験当日だけでも短期記憶で覚えて、試験終了後に忘れてもいいような内容を書くのが良いです。この場合ファイナルペーパーはどちらかというとマイナーな論点ばかりになるので、テキストをまだ一通り読めてない場合はテキストの頻出論点の理解を優先することをお勧めします。

2. 過去問を解く(正答率ランクA~Cの問題に限定)

私が使っていた過去問は、各問題に当時の受験生の正答率を高い順からA~Eの5段階で表記してくれていました。

診断士試験で重要なのは、「みんなが解ける問題で自分だけ不正解にならない」ことです。

そこでA・B・Cランクの大多数~半数くらいが正答できる設問をしっかり解けるようにすることを優先し、逆にD・Eランクの大多数が解けない設問は捨てました。

難易度レベルごとの問題を解くことで、自分自身に設問の難易度を分析・理解する力が身につき、難しい問題に時間かけてしまうロスも減らせます。これは二次試験においてもとても重要です。

※ここで紹介した過去問の解き方は、すでに5年分の過去問に取り組んだり、時間を測って解いたりして本試験問題の解き方がイメージできている人向けとなります。まだの方はぜひ時間測って5年分解くことを優先してください。

3. 当日の目標点数を3パターンで設定

勉強法やテクニックではないですが、一次試験に対してどのように戦って勝つかをイメージするために、会社の業績計画のように目標点数を3パターン(晴れ・曇り・雨)作りました。私の場合は1日目の1科目目である経済学で苦戦し、模試などで点数良かった中小企業経営・政策で点稼ぎすることを想定し、以下のように設定しました。

  • 「晴れ」・・・70点台が2科目あり、文句なしの安心安全のパターン
  • 「曇り」・・・現実的なライン。経済学で60点下回っても他の科目で固く点を取るパターン
  • 「雨」・・・1科目目の経済で出鼻をくじかれ、財務会計まで引きずったパターンでもなんとか合格する死守のライン

一次試験は40点未満の足切りさえ回避すれば、苦手科目を得意科目で補填できるメリットがあります。自分なりの勝ちパターンを知ることが当日無駄に焦ったりしなくて済みます。

4. 試験1週間前の月~金で有給休暇取得

試験前に有給休暇をとる受験生は多いと思いますが、私はガッツリと5日間休みを取り、毎日予備校の自習室で10時間追い込み勉強をしました。

休みを取ることについては、「うちの職場では5日間なんて無理」という声も聞こえてきそうですが、自分も同様な職場ではありながらも、かなり前々から5日フルで休みを取ると宣言し根回しを行いました。

試験直前に一次試験のことだけ考えて週50時間勉強できるのは効果絶大です。1年に1度しかない試験だからこそ、1日でも多く有給休暇を取りたいものです。

5. 試験前日から会場近隣のホテルに2泊

私は都内在住で試験会場も家から40分くらいのところでしたが、試験前日から試験会場近くのホテルに2泊しました。

電車の遅延や悪天候などによる会場への遅刻リスクを避けるため、経営情報システムでも学んだ「リスクの回避(ゼロリスク)」を選びました。おかげで当日は徒歩で会場に行けました。

また2022年度試験は1日目が非常に難しく、かなり憔悴していましたが、その表情を家族に見られずに済みましたし、無理に表情を繕う必要がないので、ホテル宿泊は助かりました。

ただし宿泊代がかかるのがデメリットであり、安すぎるホテルはかえって落ち着かない可能性があるため、宿泊先選びは慎重に。

まとめ

中小企業診断士一次試験は各7科目でわずか1問の正解・不正解の変動によって、合計点で±25点くらいの変動が起きます。そのため私は、勉強面だけでなくメンタル的な部分にもこだわって1問でも多く正答するために準備を行ってきました。これから試験に挑む皆さんも、自分に合った方法を見つけてぜひ実践してみてください。応援しています。

ABOUT ME
サトシン
令和5年度合格の企業内診断士。本業はグループ企業の経営企画部にて、子会社や出資しているベンチャー企業に対しての経営全般の支援、またM&A推進業務を行う。中小企業診断士試験は1次ストレート合格、2次は2度目で合格し令和6年6月に診断士登録。診断士勉強や診断士活動用のInstagramアカウントで自由気ままに投稿中。