マーケティング

中小企業がやってはいけないマーケティング戦略5選!

マーケティング戦略の失敗

マーケティングとは一言でいうと

”売れるための仕組みを構築すること”

です

中小企業が成功し、利益を上げるためには、マーケティングが非常に重要です

なぜなら、大企業とは異なり、人材や資金が限られていて、知名度も低いからです。だからこそ、適切なマーケティング戦略が必要です。それがなければ、利益を上げるのは難しいでしょう

ところが、多くの中小企業は適切なマーケティング戦略を立てられず、誤った戦略に取り組んでいます

やってはいけないマーケティング戦略
  1. ターゲットを決めない・絞らない
  2. 小規模であるメリットを活かさない
  3. 低価格で勝負する
  4. 既存顧客より新規顧客を優先する
  5. 自社ですべてをやろうとする

それぞれ順番に解説します

ターゲットを決めない・絞らない

マーケティング活動において、中小企業は顧客層(=ターゲット)を明確に決めずに広範なアプローチを取るべきではありません

ターゲットを明確にしないことは、誰に対して商品やサービスを提供すべきかが明確になっていない状態を意味します

このため、次の2つの状況が生じる可能性があります

  • 誰にも求められていない製品・サービスを提供する
  • 幅広い顧客層へ製品・サービスを提供する

誰にも求められていない製品は当然売れませんが、幅広い顧客すへの提供も中小企業が行うことはお勧めしません

なぜなら、一般的に大企業も幅広い顧客層を対象としているため、中小企業が競争で勝つには大企業とは異なるアプローチが必要とされるからです

中小企業は大企業に比べて知名度や資本力などで劣っている場合が多いため、大企業が狙うような広範なターゲットに対抗することは困難です

ターゲットを明確に定め、さらに絞り込むことで、特定のニーズに応えた差別化された商品やサービスを提供することが可能です

特に、大企業と同じ顧客層を避けるためには、ニッチな市場やまだ開拓されていない顧客層を狙うことが重要です

ニッチなターゲットの例として、B to Cであれば特定の年齢層、職業、または趣味や嗜好性に絞るなどの方法があります

B to Bの場合は特定の産業や顧客の悩み・課題の視点で顧客層を絞ります

ターゲットの明確化と絞り込みは非常に重要なマーケティング戦略であり、必ず実践するべきです

特に近年は顧客のニーズも多様化しているので、より明確な顧客イメージをできるようにペルソナを作成することをお勧めします

ユーザーニーズを深堀できるペルソナマーケティングペルソナマーケティングの基礎から、やり方まで丁寧に解説しています。...

小規模であるメリットを活かさない

競争が激しい中で優位性を持つためには、自社の強みを最大限に生かすことが重要です

多くの中小企業は小規模であることで得られる大企業にない強みを持っています

しかし小規模であることの強みを活かさないと、なかなかビジネスを継続することは難しくなります

大企業よりも規模が小さいことで活かせる優位性は以下があります

  • 地域密着型ビジネスの展開
  • 顧客と高い関係性
  • 特定の製品・サービスに特化した高い専門性
  • 小さいお店に惹かれる人たちもターゲットに

それぞれ説明します

地域密着型ビジネスの展開

全国展開をしている大企業に対して、中小企業の商圏は小さいですが、その分特定地域に根差したビジネスをすることができます

地域の特定の名産を販売したり、地域内の人脈を活用して営業活動を行う、顔が見えていることでのきめ細かいサービスなどはなかなか大企業ではできないことです

地域に根差したサービスや商品を提供することで、大企業と差別化することができます

顧客との高い関係性

一部の消費者は、商品やサービスを購入するだけでなく、店員とのコミュニケーションを重視します

画一的なサービスを大規模に行っている大企業では定員と顧客のコミュニケーションを確立するのは難しいですので、規模が小さい企業が強みをもてる領域です

顧客とのコミュニケーションを大切にし、固定客として継続的な利用を促すことが重要です

特定の製品・サービスに特化した高い専門性

小さい企業で製品やサービスはなるべくと特定のニーズを満足させるためのサービスを展開することです

特定のジャンルの専門店、例えば日本ワインの専門店など大手では市場規模も限られており、展開しずらいニーズを深くとらえて、そのジャンルの中では充実したラインナップをすることで特定の顧客のニーズを満たすことができます

製品ラインナップや従業員の知識を特化させることで、顧客のニーズに応えることができます

小さいお店に惹かれる人たちもターゲットに

小売店や飲食店の場合は、小さいお店に惹かれる人たとをターゲットにすることで、より有利に戦うことができます

小さいお店に惹かれる人は、地元ならではのお店や個性的なお店、本物志向なお店などに魅力を感じる傾向にあります

そのような層の顧客は一定の割合いますので、小さいお店に惹かれる人に如何にアプローチし、ファンになってもらうかを考えるも重要です

低価格で勝負する

大企業より人件費や固定費が安いから価格で勝負して利益を稼ごうという中小企業は多いです

しかし、多くのケースでは安い下請け先として使われ、利益や売上も頭打ちになります

また値段で選んでいる顧客は価格が上がってしまうと必ず離れてしまうので、価格転嫁がしずらく、原材料の高騰などで気づいたら赤字ということもありえます

価格で勝負せず、他の差別化できるポイントを探して独自の付加価値を顧客に与えられるように努力することが重要です

低価格で得た顧客は価格で離れていく

安いから利用をしているというお客さんは値上げしたらどうでしょうか

また自社より安い競合企業が現れたらどうなるでしょうか

価格に魅力がないと判断され、切り替えられてしまう可能性が高いでしょう

価格で勝負するという事はそう言ったリスクに常にされされている状況になります

ターゲット絞らないx価格勝負は儲からない

2020年中小企業白書でも、ターゲットを絞り価格以外で勝負している中小企業のほうが、それ以外の企業よりも利益率が高い傾向にあることが示されています

引用:2020年中小企業白書

ターゲットを絞らないと大企業と競合し、優位を戦えず利益水準がさがってしまいます

また、ターゲットを絞ったとしてもきちんと価格以外で差別をしていないとやはり利益水準に限界があります

中小企業がビジネスで優位に進めるためにはターゲットの絞り込みと価格以外での差別化が重要となります

中小企業の戦略

既存顧客より新規顧客を優先する

新規顧客の獲得はどの業態のビジネスでも非常に重要です

一方で広告宣伝費や営業などの人的資本が限られている中小企業においては、新規顧客の各友も容易ではありません

そのため、一度獲得した顧客をリピーターとして継続的に購入してもらうことのほうが重要になってきます

リピーターとして継続的に活用してもらうには、高い満足度を提供し続けることが必要です

前述した内容と重複しますが

  • この店に来たらこの分野では何でもそろっているというような、高い専門性のラインナップ
  • 物・サービスだけでなく定員とコミュニケーションを取りたいと思わせるような、顧客との関係性
  • 地元で困ったらここに連絡したらよいと認知させるような地域コミュニケーション
  • リピーターを飽きさせないように定期的に新しい製品・サービスを導入
  • この会社に相談したら必ず良い提案がえられるというように認識させる高い提案力

などがあります

ビジネス形態に合わせて顧客がどうやったら満足するか、リピーターになってもらえるかを考えてみましょう

また、リピーターがつけばそこから口コミで新規の顧客も獲得できる可能性があり、良いビジネス循環につながるという利点もあります

1対5の法則

新規顧客を獲得するための労力は既存顧客を維持の5倍の労力がかかるという法則。

また、既存顧客の顧客離れを5%改善すれば、利益は25%改善されるという「5:25の法則」というのもある。

両法則とも既存顧客の維持がビジネスにおいて重要であることを示している。

口コミのメリット

高い満足度から得られる口コミの費用に良い効果を与えます

口コミの特徴
  • 口コミで聞いた情報は、他の情報よりも信頼度が高く受け取られやすい
  • 地域市場においては、良い口コミは・悪い口コミともに地域ネットワークの中で広がりやすい
  • 口コミから得られた顧客は、リピーターになりやすい
  • 口コミには宣伝・広告費のようなコストがかからない

良い口コミを発生させるためには、満足度の向上です

そして満足度が高く自社を気に入っている既存客から多く発信してもらえる可能性が高いため、既存客への満足度が非常に重要になります

自社ですべてをやろうとする

あれもこれもすべて自社でやろうとすると思った以上に投資や人材の獲得が必要となり、固定費の増加につながってしまいます

固定費が増加してしまうと、売上拡大期は問題ないかもしれませんが、売上が一時的に下がってしまうと赤字になるリスクが増え、ひいては倒産やリストラが必要なんてことになってしまうかもしれません

外部連携をすることの主なメリットは

  • 外部の専門的なノウハウを活用し、製品・サービスを差別化できる
  • 自社を得意な中心業務にリソースを集中
  • 他社と共同することで、規模の経済を享受す
  • 資金不足・人員不足を補う

などがあります

もちろん内製化したほうがコストが下がる可能性はありますが、全てを自社でやろうとせず、できない(苦手な)領域の仕事は専門業者などの他社にお願いして上手く外部の力を有効活用することも重要です

連携機関の探索方法

連携機関は各公的機関からの紹介、展示会や交流会での探索により見つかることが多いです

また、取引先や金融機関から紹介をうけることもあります

自社に必要な連携先のイメージをきちんと持ち、日ごろからアンテナを高くしておくことで適した連携先が見つかる可能性が高まります

まとめ

多くの中小企業が陥りやすいやってはいけないマーケティング戦略を5つ紹介しました

  • ターゲットを決めない
  • 小規模であるメリットを活かさない
  • 低価格で勝負する
  • 既存顧客より新規顧客を優先する
  • 自社ですべてをやろうとする

本ポイントを自社にも当てはまっていないか、改めて確認してみて必要に応じて改善を検討してみてください

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しばたろー
大手素材企業でマーケティング、新規事業創出、M&A、スタートアップの事業化支援などに従事しながら、中小企業診断士としても活動。 専門領域は中小企業のマーケティング、新規事業創出、オープンイノベーション。