中小企業診断士

中小企業士の仕事内容は?稼げるための3つのポイントを解説

「中小企業診断士として、一体どのような仕事に携わり、どのように成功へと導くのでしょうか?」

受験を考えている方、診断士への興味をお持ちの方々は、きっとこの疑問を抱えているのではないでしょうか

実は、中小企業診断士特有の独占業務がないため、その仕事内容はイメージしにくいものです。

そこで、この記事では診断士の具体的な業務に迫りながら、診断士として成功し、より良い収益を上げるための3つのポイントを紹介します

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士の業務内容ですが、中小企業庁の定義では

診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。

(1)診断士の業務
診断士の業務は、支援法では中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言とされています。現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイスが主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。

(2)診断士の役割
診断士は企業の成長戦略の策定について専門的知識をもってアドバイスします。また、策定した成長戦略を実行するに当たって具体的な経営計画を立て、その実績やその後の経営環境の変化を踏まえた支援も行います。このため、診断士は、専門的知識の活用とともに、企業と行政、企業と金融機関等のパイプ役、中小企業施策の適切な活用支援まで、幅広い活動に対応できる知識や能力が求められています。
参照:中小企業庁HPより

となっています

診断士の業務としては、中小企業の助言を中心として、金融機関とのパイプ役などが示されていますが、いまいち具体的にイメージするのが難しいですね

実際の診断士の業務は多岐にわたります

各人の得意分野で活動しており、コンサルティングを中心にしている方、診断士の予備校の講師、補助金など様々です

代表的な業務を順番に紹介します

企業診断・経営コンサルティング

経営コンサルティングとして、中小企業の経営を改善、向上するように助言や戦略策定、場合によっては提案した内容の実施まで行います

時には経営が厳しい会社のリストラや資金計画を策定することもあれば、新規事業の企画や調査、顧客の満足度調査など行う内容は多岐にわたります

また、飲食店や小売店の売上をあげるための専門のコンサルであったり、WEBコンサルなど高度な専門知識を活用して、診断士活動をしている方も多いです

税理士や社労士が中小企業診断士の資格もダブルライセンスとして取り、複数業務をワンストップで提供して、差別化しているケースもあります

高い専門性を活かす、または中小企業診断士としての実績を武器にできないと継続して仕事を得ることは難しいでしょう

補助金の作成業務

補助金の作成自体は中小企業単独でもできます

ただし、客観的な分析や戦略の立案など中小企業診断士が得意な領域を活かして、補助金作成をサポートまたは代行し、補助金の採択に貢献する業務です

中小企業診断士が支援する代表的な補助金として、事業再構築補助金やものづくり補助金などがあります

中小企業診断士の知識・経験は、事業計画の立案をすることに適していて、結果として中小企業が申請するより高い採択率を得られることが多いです

案件を多くこなし、採択実績を積めば、さらに採択率の高い申請書の書き方のノウハウを獲得することもできます

公的機関

中小企業基盤整備機構や商工会議所、商工会などの公的機関から委託された業務となります

業務としては、専門家派遣や中小企業の窓口相談が多いです

専門家派遣とは、中小企業の経営課題に対して特定の専門家を派遣して、課題解決を支援する制度です

一般的には予め公的機関にて専門家登録をし、その後案件が来た際に紹介、派遣という流れになります

窓口相談業務は公的機関の窓口にて、窓口に訪れた中小企業の経営者や創業希望者に対してさ相談に乗る業務です

公的機関の業務は民間業務より報酬が低いことも多いですが、多くに中小企業に対して、多種多彩な相談・問題解決を行う必要があり、中小企業診断士として実績や経験を積む場としては非常に重要です

セミナー・研修業務

講師として、セミナーに登壇または、企業研修を行う業務です

商工会議所のセミナーや企業研修、診断士の予備校まで多岐にわたります

専門性を活かした研修コンテンツを武器に講師業を行っている方もいれば、持ち前のプレゼンテーションスキルやコンテンツ設計スキルを活かして、様々な企業研修で活躍している方もいます

診断協会からの紹介の仕事であったり、単発の商工会議所のセミナー講師などで実績を積んでから、企業の研修を目指すケースも多いです

なお企業研修に関してはコネクションがなければ、診断士個人で営業するのも限界があるため、代理店を活用することもあります

執筆活動

執筆業務は、出版やWEB記事、雑誌の記事など多々業務内容はあります

所属している団体によっては執筆業務の案件が多いところもあります

また近年は電子書籍向けであれば、出版会社を通さずに独自に出版することもでき、ハードルは下がっています

ただし、出版業務に関しては労力に対しての収入が少なく、多くの中小企業診断士は実績や宣伝活動の一つとして割り切って活動しています

また企業内診断士としてはやりやすい仕事のため、副業として対応している人も多いです

稼げる診断士業務とは

代表的な中小企業診断士の業務を紹介しましたが、その中でも公的機関と執筆活動は相対的にはなかなか高い報酬を望めない業務となります

中小企業診断士で安定的に高い報酬を得ている人は

  1. 企業診断・経営コンサルティング
  2. 補助金の作成業務
  3. 研修業務

のいずれか、または組み合わせて活動をしている方が多いです

企業診断・経営コンサルティングの報酬

月々の顧問契約を締結することで、継続的に企業診断を行い報酬を得ることができます

顧問契約の相場は月々10万円‐20万円程度であり、顧問契約数が多ければその分だけ報酬を増やすことが可能です

一方で一人で見れる企業数には限界があること、顧問契約にかける予算は各中小企業で上限があり、税理士や弁護士とも競合する領域であり、1社あたりの顧問料を増やしにくいという課題があります

補助金の作成業務の報酬

一般的な報酬体系は着手金と成功報酬の2つがあります

それぞれの報酬は補助金の種類のより代わりますが、着手金として5万円‐15万円、成功報酬としては補助額の10%-15%に設定しているところが多いです

補助金は慣れてくると作成までの時間が短縮でき、且つ採択率をあげられるようになりますので、高収入を狙えます

また、自分で対応できない場合は、他の診断士に案件を紹介し、中間マージンを得ている人もいます

研修業務の報酬

企業研修を自分で受注できれば、一日当たり10万円‐30万円(場合によってはさらに高額)を見込めます

ただし、そのためには知名度やマーケティング・営業活動が必要で研修会社やエージェントを通して受注しているケースも多いです

その場合は1日あたり3万円-15万円程度と下がります

研修業務はコンテンツ作成に時間を要しますが、高品質且ニーズの高いコンテンツをつくれれば、ある程度使いまわしは可能で、時間当たりの報酬額を上げられます

高品質なコンテンツと高い講師スキルを活かして、年間100日以上企業研究を実施し、高い報酬を得ている方もいます

稼げる診断士になるために必要な3つのポイント

中小企業診断士の中で特に稼ぎやすい仕事を紹介しましたが、稼げる診断士になるためにはそれだけでは不十分です

稼げる診断士になるために継続的に良い案件を創出し続けることが重要です

そのために必要なポイントを3つ紹介します

高い成果を残すこと

顧客が想定している以上の成果を残すことは非常に重要です

支払った報酬と比べて、顧客がとても高い効果があったと考えれば、次回の仕事のリピートにもつながりますし、他の顧客を紹介してもらえる可能性も増えます

研修業務で研修会社やエージェントを使っている場合は、単価の向上や案件の優先的な紹介にもつながります

期待以上の成果を出すことは最も効果的な顧客獲得手段ですので、仕事を受けた以上は報酬よりも圧倒的に高いと思える成果を目指しましょう

精力的に営業活動を行うこと

中小企業診断士で営業活動が得意な人は意外と少ないです

商工会などの公的機関やターゲットの中小企業への地道な営業活動は、顧客開拓活動として非常に重要です

最近はSNSや自社HPなどを活用し積極的に情報発信することでのプロモーションも効果的です

さらに無料セミナーを開催し、来てもらった参加者に対して、補助金や研修、コンサルの提案をするといった営業手段もあります

多彩な営業方法の中で、自分にあった手段を見つけ、継続的にに実施することで強い武器になるでしょう

中小企業診断士のネットワーク

中小企業診断士内での人的ネットワークを持つことで、仕事を紹介してもらえることもあります

特に駆け出しの診断士は、なかなか自分の営業スタイルを確立できていないことも多いため、他の診断士からの紹介から仕事をするケースが多くあります

中小企業診断士のネットワークを作るポイントとしては、協会に所属して精力的に活動することや、勉強会やプロコン塾にも多く所属することが重要です

また、信頼できない診断士には仕事を紹介しないので、受けた仕事ややると言ったことはやりきるというのは最低限必要なことです

そのうえで、前述のように高い成果を残すことができれば、仕事はどんどん舞い込んでくるでしょう

まとめ

中小企業診断士の代表的な仕事を紹介しました

その中でも特に以下の仕事の報酬は高い傾向にあります

  1. 企業診断・経営コンサルティング
  2. 補助金の作成業務
  3. 研修業務

また、安定的に仕事を獲得でき、稼げる診断士になるためには、「高い成果を残すこと」、「勢力的に営業活動を行うこと」、「診断士のネットワーク」がポイントです

これらを意識して、稼げる中小企業診断士を目指しましょう

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しばたろー
大手素材企業でマーケティング、新規事業創出、M&A、スタートアップの事業化支援などに従事しながら、中小企業診断士としても活動。 専門領域は中小企業のマーケティング、新規事業創出、オープンイノベーション。