SDGs

SDGsに取り組もう ~発信して信頼を高める~

SDGsに取り組む際には、会社としてどのようなことに取り組むのか、そしてその取り組みについて社外に発信することも重要です。中小企業も決して例外ではありません。

なぜ発信が必要なのか

それでは、なぜSDGsの取り組みを発信することが必要なのでしょうか。

各企業は、取引先や金融機関、株主、従業員などいわゆる「ステークホルダー」に対して、会社概要や経営理念、製品の紹介や決算概要など、さまざまな内容を発信しています。ホームページを使って会社概要や経営理念、製品の紹介など、情報発信している会社も数多くあります。

会社の経営において、「SDGsに取り組んでいる」「SDGsの理念に基づいた製品」ということを伝えることは、持続的な経営をする上でも重要な要素となってきており、発信することでステークホルダーとの信頼関係を深めることにつながっていきます。また、より良い製品づくりやサービス提供へとつながる他、新たな投資を呼び込んだり、取引先の獲得につながる可能性も広がります。

このように考えると、取り組みを発信することの重要性、大切さをご理解いただけると思います。

具体的な発信方法

(1)会社のホームページの活用する

会社でホームページを開設しているのであれば、SDGsに関する取り組み宣言と、その取り組み状況をホームページ上に掲載し発信します。

各社のホームページを閲覧してみると、「SDGs」の他、「サステナビリティ」「ESG(※)」という項目で取り組みを紹介する企業が多いようです。当然ながら、各社が営む事業により内容や掲載のボリュームはさまざまですが、会社の取り組みをしっかりと発信するという点で、参考になる部分は多いと思います。また、会社でSNSを活用しているのであれば、ここからの発信する方法もあります。

※ESG:環境(Enviroment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3要素

(2)自治体のSDGs登録制度を活用する

中小企業の中には、ホームページを開設していない会社もあるかと思います。

そのような企業向けにオススメしたいのが、自治体で行っているSDGs登録制度です。

SDGsの取り組みについては、国や都道府県をはじめとする各自治体でも実施しています。

そして、自治体の中には「SDGs登録制度」を設け、SDGsに取り組む企業を登録、紹介する制度を設けているところもあります。

都道府県単位では、名称はさまざまありますが、半数以上で登録制度を実施しています。多くは無料で、3年程度の期間が設けられています。

登録するには、書類に必要事項の他、SDGsに関する取り組みの宣言をします。その宣言内容が各自治体のホームページに掲載されるというもので、自社のホームページも同時にリンクを貼ってあるところがほとんどでした。

この登録制度のメリットは

 「対外的に自社の取り組みをアピールできる」

 「自治体からSDGsに取り組んでいるというお墨付きを得られる」

また、一部の自治体では

 「SDGsの取り組みに掛かる資金の融資を得られる」

という特典も用意されています。

SDGs登録制度については、都道府県単位で実施しているところだけでなく、市町村単位で実施している自治体もありますし、商工会議所や財団法人が実施している場合もありますので、まずは各都道府県の窓口へ問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

金融機関の対応

SDGsの取り組みについて、銀行をはじめとする金融機関も支援体制を整えています。

SDGsに取り組む企業に対する融資制度の導入は、最近新聞でも目にする機会が増え、取り扱いを開始する金融機関は増加しています。併せて、金融機関独自の登録制度を設け、登録された企業名をホームページ上に掲載する銀行などもあります。企業名のみのところもあれば、取り組み宣言の掲載、ホームページへのリンクなど違いはありますが、会社として取り組んでいるということを発信する上では、金融機関のホームページということもあり信頼度は高まります。

また、SDGsの取り組み支援として、企業のSDGs取り組み状況をチェック、評価して結果をフィードバックしたり、これからSDGsに取り組むにあたり、各社それぞれの状況にあったSDGs宣言策定のサポート、対外向けPRの支援まで行ってくれる銀行、さらには、従業員向けの啓蒙活動として、SDGsセミナーやSDGsカードゲームの出張開催を行ってくれるサービスを実施する銀行もあります。

これらのサービスを利用するには、金融機関と取引があることが条件になっていることが多いようですが、SDGsの取り組みの公表のしかたや、そもそもSDGsにどう取り組めばよいのか、まずは日頃から取引のある金融機関の担当者に相談してみるのも一案です。

まとめ

SDGsは2030年までに達成を目指す国際目標であり、世界中の企業に取り組みが求められています。国や自治体も取り組みに関しては積極的に推進しており、情報発信やセミナー、登録制度を通じて企業の取り組みを後押ししています。また、金融機関も自らの取り組みのほか、独自の融資制度や支援制度を設けているところが増えており、SDGsを推進する環境は整っていると言えます。

SDGsの取り組みを始めるにあたっては、いろいろと考え込むことも多いかもしれませんが、できるところから、そして「これってSDGsなの?」と気にする前に、まずは第一歩を踏み出してみませんか。

ABOUT ME
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濵田 健嗣
中小企業診断士。大手鉄道会社の経理業務を長年担当し、グループ会社の会計・税務相談にも従事。現在はグループのショッピングセンターにてESを担当。現場で頑張るショップスタッフのモチベーション向上のための施策づくりに注力。